2011年08月29日
待望の夏休みは雨、雨、雨・・・雲ノ平と北アルプス周遊 3日目
危うく流されるところでした・・・
雲ノ平~黒部源流~三俣山荘~三俣蓮華岳~黒部五郎小舎 20110821
夜中何度もフライを叩く雨音で目が覚める。
全く勢いが衰えることなく降り続いている。
降りしきる雨の中テントを撤収し、
テン場を7:30に出発。
三俣方面を目指す。
スイス庭園は水晶岳、赤牛岳の眺めがいいとのことで
散策予定に入っていたのだが、この天候では眺めもへったくれもない。
祖父岳への分岐、迷わず源流ルートを選択。
後から考えるに、祖父岳を越えて岩苔乗越から下っていくのとどちらが良かったのか。
源流に一直線に下っていくコースなので、水は高きより低きへ・・・、
そう、登山道は川、沢と化していたのだ。
もはや靴の防水レベルを超えてしまい、中は金魚鉢のようだ。
もう8月半ばを過ぎているのに大きな雪渓が残っている。
沢下りをようやく終え、黒部源流に辿り着いた。
(本当の源流はもっと上の方だが)
降り続く雨でかなり増水しているのだろう。膝近くまで水位がある。
『あぁ~ッ!』
ドジでのろまなカメの私はあろうことか見事にコケてしまい、
ドボンと腰まで浸かってしまい、危うく黒部ダムまで流されて観光放水されるところだった。
しかし、最初に思ったのは『誰にも見られなくてよかった~』
見栄っ張り、カッコつけたがりな俺・・・。
(しかし、腰まで浸かるということはザックも浸かっていたわけで・・・)
三俣山荘。本来ならここで鷲羽岳を眺めながらの幕営のはずだったのに。
でも、ここには実は重要な用事がありまして、
『黒部の山賊』
ず~っと欲しかったこの本。やっと手に入れることができた。
即座にジップロックに厳重に封入。財布、着替えと同じくらい防水に気を遣った。
ここから黒部五郎小舎までのルート、
三俣蓮華岳山頂経由と巻道で10分しか違わないようなので山頂に行ってみることにした。
長野富山岐阜三県の県境、晴れていれば展望の良いところだそうだが。
やはりピークは眺望があってこそ。このときそれをつくづく感じた。
このことが翌日の行動に大きな影響を与えることになる。
弱まっていた雨が山頂から下り始めると再び土砂降りとなり、
ほうほうの体でようやく黒部五郎小舎に辿り着いた。
中に入るとストーブが焚いてて温かい。
迷った・・・本当に迷ったんだ。
ずぶ濡れのまま、ザックも下ろさず、立ち尽くして、迷っていた。
食事時間の予定が貼られていて一回戦のみ。どうやら空いているようだ。
迷った、5分くらい立ち尽くしたままで、小屋番さんが訝しげにチラチラ見てるのもわかっていた。
本当に迷ったんだ・・・。
でも、やっぱり・・・、
『テン泊お願いします』
しかしその後絶望が訪れた・・・。
土砂降りの中テントを設営して、ザックを放り込み、自分も転がり込む。
ずぶ濡れのザックから荷を取り出していくと・・・
やっちまった!シュラフが濡れている。
源流でコケたとき浸水したのか、降り続く雨にやられたか。
とにかく痛恨の一撃だ。
たしかに、乾いているものを見つけるのが難しいくらい、何もかもが濡れていた。
これで終わった・・・、シュラフを濡らしてしまってはチェックメイトだ。
明日が下山となれば、今宵が最後の晩餐だ。思いっきり楽しもう!
小屋にビールを買いにいく。
酔いどれ:『ビール6本ください!』
小屋番:『6本・・・ですか?』
広げた手のひらに人差し指を添えて怪訝そうに尋ねる。
受付のときの挙動といい、かなり怪しいヤツと思われたことだろう。
濡れたシュラフは全く保温力が無く(夏用の5番だし)、
更にもう一泊する気力は完全に消え失せた。
明日は薬師峠での幕営を取りやめ、折立に下山する。
せめて黒部五郎岳の山頂でわずかばかりでも展望が得られれば少しは救われるのだが・・・。
夜中震えて何度も目が覚めたのは、
寒さからなのか、
それとも、
翌日の10時間超のコースタイムへの武者震いなのか・・・。
(続く)
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夜中何度もフライを叩く雨音で目が覚める。
全く勢いが衰えることなく降り続いている。
降りしきる雨の中テントを撤収し、
テン場を7:30に出発。
三俣方面を目指す。
スイス庭園は水晶岳、赤牛岳の眺めがいいとのことで
散策予定に入っていたのだが、この天候では眺めもへったくれもない。
祖父岳への分岐、迷わず源流ルートを選択。
後から考えるに、祖父岳を越えて岩苔乗越から下っていくのとどちらが良かったのか。
源流に一直線に下っていくコースなので、水は高きより低きへ・・・、
そう、登山道は川、沢と化していたのだ。
もはや靴の防水レベルを超えてしまい、中は金魚鉢のようだ。
もう8月半ばを過ぎているのに大きな雪渓が残っている。
沢下りをようやく終え、黒部源流に辿り着いた。
(本当の源流はもっと上の方だが)
降り続く雨でかなり増水しているのだろう。膝近くまで水位がある。
『あぁ~ッ!』
ドジでのろまなカメの私はあろうことか見事にコケてしまい、
ドボンと腰まで浸かってしまい、危うく黒部ダムまで流されて観光放水されるところだった。
しかし、最初に思ったのは『誰にも見られなくてよかった~』
見栄っ張り、カッコつけたがりな俺・・・。
(しかし、腰まで浸かるということはザックも浸かっていたわけで・・・)
三俣山荘。本来ならここで鷲羽岳を眺めながらの幕営のはずだったのに。
でも、ここには実は重要な用事がありまして、
『黒部の山賊』
ず~っと欲しかったこの本。やっと手に入れることができた。
即座にジップロックに厳重に封入。財布、着替えと同じくらい防水に気を遣った。
ここから黒部五郎小舎までのルート、
三俣蓮華岳山頂経由と巻道で10分しか違わないようなので山頂に行ってみることにした。
長野富山岐阜三県の県境、晴れていれば展望の良いところだそうだが。
やはりピークは眺望があってこそ。このときそれをつくづく感じた。
このことが翌日の行動に大きな影響を与えることになる。
弱まっていた雨が山頂から下り始めると再び土砂降りとなり、
ほうほうの体でようやく黒部五郎小舎に辿り着いた。
中に入るとストーブが焚いてて温かい。
迷った・・・本当に迷ったんだ。
ずぶ濡れのまま、ザックも下ろさず、立ち尽くして、迷っていた。
食事時間の予定が貼られていて一回戦のみ。どうやら空いているようだ。
迷った、5分くらい立ち尽くしたままで、小屋番さんが訝しげにチラチラ見てるのもわかっていた。
本当に迷ったんだ・・・。
でも、やっぱり・・・、
『テン泊お願いします』
しかしその後絶望が訪れた・・・。
土砂降りの中テントを設営して、ザックを放り込み、自分も転がり込む。
ずぶ濡れのザックから荷を取り出していくと・・・
やっちまった!シュラフが濡れている。
源流でコケたとき浸水したのか、降り続く雨にやられたか。
とにかく痛恨の一撃だ。
たしかに、乾いているものを見つけるのが難しいくらい、何もかもが濡れていた。
これで終わった・・・、シュラフを濡らしてしまってはチェックメイトだ。
明日が下山となれば、今宵が最後の晩餐だ。思いっきり楽しもう!
小屋にビールを買いにいく。
酔いどれ:『ビール6本ください!』
小屋番:『6本・・・ですか?』
広げた手のひらに人差し指を添えて怪訝そうに尋ねる。
受付のときの挙動といい、かなり怪しいヤツと思われたことだろう。
濡れたシュラフは全く保温力が無く(夏用の5番だし)、
更にもう一泊する気力は完全に消え失せた。
明日は薬師峠での幕営を取りやめ、折立に下山する。
せめて黒部五郎岳の山頂でわずかばかりでも展望が得られれば少しは救われるのだが・・・。
夜中震えて何度も目が覚めたのは、
寒さからなのか、
それとも、
翌日の10時間超のコースタイムへの武者震いなのか・・・。
(続く)
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Posted by 酔いどれ係長 at 17:59│Comments(8)
│山歩き 北アルプス
この記事へのコメント
ギャ~!
なんだか凄い事になってきましたね~
さすがです!鋼の幕営根性!
私も見習いたいです!
続き・・・早く読みたいです♪
なんだか凄い事になってきましたね~
さすがです!鋼の幕営根性!
私も見習いたいです!
続き・・・早く読みたいです♪
Posted by チャイ at 2011年08月29日 19:30
うむ、こんな事になっていたとは・・・
それにしても「他人の水没記事は蜜の味」とはよく言ったもので
読んでて楽しくて仕方ないですよw
雨、ビール欠品、水没、と来て次はどんな試練が待ってるのか・・・
それにしても「他人の水没記事は蜜の味」とはよく言ったもので
読んでて楽しくて仕方ないですよw
雨、ビール欠品、水没、と来て次はどんな試練が待ってるのか・・・
Posted by jackie at 2011年08月29日 21:25
◆チャイさん
こんにちは!
この日はわざわざ沢渡まで足湯に浸かりに来られたそうで。
僕もこの日が入山日だったらきっと引き返してたと思います。
続きは・・・もう撤退するだけですよ・・・。
こんにちは!
この日はわざわざ沢渡まで足湯に浸かりに来られたそうで。
僕もこの日が入山日だったらきっと引き返してたと思います。
続きは・・・もう撤退するだけですよ・・・。
Posted by 酔いどれ係長 at 2011年08月30日 17:34
◆jackieさん
こんにちは!
いかがでしょうか?
日本最後の秘境、雲ノ平の様子は?
えぇ、全く魅力が伝わっていないことでしょう。
ぜひ来年ご自分の目で確かめてくださいね!
いや、ホント今回はいろいろなことが起こりましたが・・・、
もうあとは尻尾巻いて逃げ出すだけですよ~。
こんにちは!
いかがでしょうか?
日本最後の秘境、雲ノ平の様子は?
えぇ、全く魅力が伝わっていないことでしょう。
ぜひ来年ご自分の目で確かめてくださいね!
いや、ホント今回はいろいろなことが起こりましたが・・・、
もうあとは尻尾巻いて逃げ出すだけですよ~。
Posted by 酔いどれ係長 at 2011年08月30日 17:40
御苦労さま(?)です。
申し訳ないんですけど
読んでておもしろいです・・・・
申し訳ないんですけど
読んでておもしろいです・・・・
Posted by K子 at 2011年08月30日 17:42
◆K子さん
こんにちは!
もうひどいですな~!
本人はいたって真剣に思い悩み
次から次へと襲い掛かってくる不幸に
涙が枯れる毎日でございましたよ。
ですが、↑のjackieさんも仰られているように
水没に限らず他人の不幸は蜜の味、
もっと楽しませてあげられればいいのですが・・・
どうかお願いです!下山させてください!
こんにちは!
もうひどいですな~!
本人はいたって真剣に思い悩み
次から次へと襲い掛かってくる不幸に
涙が枯れる毎日でございましたよ。
ですが、↑のjackieさんも仰られているように
水没に限らず他人の不幸は蜜の味、
もっと楽しませてあげられればいいのですが・・・
どうかお願いです!下山させてください!
Posted by 酔いどれ係長 at 2011年08月30日 18:03
今回の山歩きを見ていると
どうしても吉田拓郎の「辿り着いたらいつも雨降り」を
思い出してしょうがありません・・・
えぇ
あぁ~ここもやっぱり、どしゃぶりさ~
ってヤツですよ
しかしこの雨に降られても
テント泊で通す、係長さんには頭が上がりません
ドジでまぬけでのろまなカメでも
係長さんはカメはカメでも
亀仙人ですから、油断はなりません・・・
どうしても吉田拓郎の「辿り着いたらいつも雨降り」を
思い出してしょうがありません・・・
えぇ
あぁ~ここもやっぱり、どしゃぶりさ~
ってヤツですよ
しかしこの雨に降られても
テント泊で通す、係長さんには頭が上がりません
ドジでまぬけでのろまなカメでも
係長さんはカメはカメでも
亀仙人ですから、油断はなりません・・・
Posted by samantha802 at 2011年08月31日 23:07
◆samantha802さん
おはようございます!
毎日毎日降り続ける雨の中を
心の中に傘をさして歩いておりました。
今回はテントで初縦走でしたので
意地というわけではないのですが
テン泊で押し通しました~。
でもこの日は小屋泊が無難でしたね~。
そうしたらもう1泊する気力が湧いたかもしれません。
亀仙人・・・
かめはめ波は撃てませんが
エッチなところは・・・・・ってなにを言わせるんですかッ!
おはようございます!
毎日毎日降り続ける雨の中を
心の中に傘をさして歩いておりました。
今回はテントで初縦走でしたので
意地というわけではないのですが
テン泊で押し通しました~。
でもこの日は小屋泊が無難でしたね~。
そうしたらもう1泊する気力が湧いたかもしれません。
亀仙人・・・
かめはめ波は撃てませんが
エッチなところは・・・・・ってなにを言わせるんですかッ!
Posted by 酔いどれ係長 at 2011年09月01日 07:40
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