山の上で下で

カレンダー通りの休みしかない自分にとって夏休みが唯一の長期連休。
縦走を楽しめる１年に１度の機会、ずっと行きたかった雲ノ平と周囲の山々を巡る計画を立てた。


思えば昨年も同じような計画を立てたが、台風でオジャン。
しかしこのときはテント泊の経験が上高地徳沢、大天井岳、北岳の３回のみ。
もうちょっと経験積んでからにしなさい、という山の神様のご配慮だったのかもしれない。

その後昨年に２回、今年６回のテン泊を経験して（いずれも１泊だけど）、
その時の自分よりはもうちょっとやれるんじゃないかな〜と思い考えたプランは、
１日目(8/19):折立〜薬師峠(太郎平小屋)
２日目(8/20):薬師峠〜雲ノ平
３日目(8/21):雲ノ平〜水晶岳〜鷲羽岳〜三俣山荘
４日目(8/22):三俣山荘〜三俣蓮華岳〜黒部五郎岳〜薬師峠
５日目(8/23):薬師峠〜薬師岳〜折立
という、日本最後の秘境雲ノ平を中心に北ア最深部の百名山を４つ巡る贅沢なもの。
体調、天候によってはこの計画から引き算をしていかなければならない
こともありえると思っていたが･･･

折立～薬師峠 20110819

山行予定の日程が週間天気予報に現れてから、
毎日毎日天気予報が気になってしかたなかった。
出発直前の予報では初日が雨のち曇り、その後ゆっくりと回復、というものだった。
初日は折立から薬師峠まで。
いわば入山のアプローチのようなもので、縦走のメインは２日目から。
初日の雨さえしのげば･･･、
この時の僕の心は北ア最深部を巡る山旅への期待に満ち溢れていた･･･。

登山口の折立へのアプローチ、有峰林道へはどこから入るか？
色々悩んだのだが東谷線を選択。

ゲート前に到着したのは開門30前の5:30。先着2台。
(有峰林道の詳細はコチラを参照)

折立には6:50到着。

とにかく土砂降りである。
この日の行程は折立～薬師峠までで、おおよそ5時間。
土砂降りの中を無理して出発するほど
時間が切羽詰っているわけではないので雨が小降りになるのを待つ。


8時半頃から雨が弱まり始めたので、身支度をまとめ、
9:05ハイクアップ！


ガスで周囲の展望は全く無いが、雨は時折パラパラくる程度で止んでくれた。


真っ直ぐの石畳の登りが続く。
ガスで先が見えないのでどこまでも続いているようで気が萎えてくる。


五光岩ベンチ、ここまでおよそ3時間半。依然展望は無い・・・。

4時間半ほどで太郎平小屋へ到着。ここの生ビールや缶ビールはプレミアムモルツだった。
テントを設営してから生ビールを飲みに来ようと思ったが面倒くさくなってやめてしまった。
到着時に飲んでおけばよかったとちょっと後悔。
テン泊の受付はテン場でやるとのことなので、テン場へ続く木道をトボトボ歩いていると、

薬師岳だ！でっけ～なぁ～。
そして横を見ると、

おぉ～！真ん中の台地が明日行く雲ノ平。
その後ろには明後日歩く予定の水晶岳、ワリモ岳。鷲羽岳は祖父岳の陰になってるようだ。


薬師峠のテン場。あまり混んでないみたいだ。（お盆のときは１００張だったとか）

テン泊の受付をしたときにスタッフに明日の予定を尋ねられたので
雲ノ平に行くことを告げると、薬師沢の渡渉は問題ないが、
薬師沢からの急登を登り終え、雲ノ平に入ってからの木道が滑りやすく
また一部破損していて怪我する人が結構いるとか。
気をつけて歩くことにします。アドバイスありがとうございました。


少し離れたところへポツンと張りました。
だからいつも周りとの交流がないんだな～。


青空も出てきて、こいつは明日からはバッチリだぜ～！って
このときは本気で思っていた・・・。


ひと段落したので、お疲れさんの乾杯ッ！
（テン場の売店はノーマルモルツでした）


この日のディナーは生まれて初めての縦走の成功を願って焼肉！
（最高級黒毛和牛・・・といきたかったが、近所の西友ではそんないい肉は売っていなかった。
一応国産牛ではありますが・・・そのかわりタレは気合を入れて叙々苑モノ）


たらふく食べて飲んで、明日からが楽しみだな～とニンマリしていたが、
天気予報をチェックしてみると、明日から回復するはずが曇・雨続きに・・・。
しかしまさかずっと雨が降り続けるわけでもなかろう。
今日みたいに雨の止み間にガスが晴れたりして展望を楽しんだりもできるだろう。
このときは楽観的に考えていた。
しかし、この甘い考えは見事に打ち砕かれることになる・・・

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（続く）


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